日本のテレビドラマやCM、映画の中の指揮者は、例外なく「髪振り乱して棒っきれ振り回してる阿呆」に見えます。
理由は簡単。「曲に合わせて身体を動かしているだけ」で「指揮していない」からです。
「指揮していない」と言われてもぴんとこないかもしれません。
反対の「指揮できている」とはどういうことなのか、を考えるとわかりやすいです。指揮する、つまり、オーケストラなり合唱団なりを、引っ張る、のが指揮者の役目。あらかじめ譜面から設計した「演奏」をどう再現するか、どのテンポで、どこで緩め、どこで急ぎ、どこを溜めて、どこで弾けるか。どこのタイミングで変化し、どう終わるか、を、あの手振りで示すのが、指揮者です。
つまり。演奏が変化するより、ちょっとだけ早く予備動作に入っていなければ、「それを見て演奏する演者」がオンタイムで演奏できない。その予備動作と呼吸が、フィクションの中の指揮者には欠けているのです。
音を、引っ張らなければならない立場の役回りなのに、音に合わせてダンサーのように踊っている。音に振り回されている。この主客転倒が気持ち悪く、阿呆らしく見えている。
近年比較的マシだったのは「のだめカンタービレ」の玉木宏でしたが、あれも、音とぴったり合致した身振りでしかなかったです。あの指揮を見ては演奏できない。玉木の指揮に合わせたなら、あのタイミングで音は出ない。音に合わせて指揮を期待すると、指揮が半拍遅い。指揮に合わせて音を期待すると、音がいつもちょっと早い。このズレが、気持ち悪い。あれで指揮者だとするなら、オケないしコンマスに引っ張られて必死に身振りでそれっぽく見せているor自分が指揮できてないのに気付かず陶酔しきってるお飾り指揮者*1です。知人の指揮者が「のだめを観た後、気持ち悪くなってクラシックのDVDを慌てて観た」と言うておりましたが、なんか、型だけはできてるだけに、むずむず気持ち悪いの。あれ。
玉木の指揮がマシだったのは、手首が揺れないところ。肘から指の付け根までは、単一の動きをしていないと、どっちで拍を取ればいいかわからないから、そもそも指揮ですらない。そこらへんは、よく訓練してたと思います。
手首をきっちり固め、曲の「半歩先」を見越して、オケを引っ張る。
それさえできれば、タクトを持ってようが持ってまいが、拍子と入り終わりだけしか指示できなかろうが、一人ろくろを回すように目を閉じて踊っていようが、指揮者。
手首がブレブレで、グニャグニャぱったぱった手を動かし、音に合わせるか、音にすら遅れているなら、バーンスタインばりに跳び上がろうが、燕尾服で気障に指をつきつけようが、ただのバカ。阿呆の盆踊り。
動画のフィクション内に指揮者が出てきたときは、まず、手首と、それから「音よりちょっとだけ早いか否か」を観察してみると面白いですよ。
"ドラマの中の指揮者は、何故バカに見えるのか - Hopeless Homeless (via petapeta) (via jacony) (via vmconverter)
そうそうそうそう!! 指揮者はオーケストラを演奏してんですよね。なので演奏のアクションは発声よりも原理的に先なのです(ギターだってピアノだってアクションの完了がつまりは発声ですからね)。
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(via plasticdreams)2009-01-28
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